英検は、中高生だけのものと思っていませんか?
実は、中学受験を考えている小学生にも役立つ試験です。
東京都内の中学校では、英検資格が試験免除や加点となる学校もあり、今後もそうした学校が増えると予想されています。
受験を意識したら、まず英検から始めてみてはいかがでしょうか。
小学生が受ける英検には何がある?
中高生向けの英検3級、2級を受験して合格する小学生ももちろんいますが、いきなりそうした高いレベルを目指す必要はありません。
都内の中学校のうち、英検を加点対象と定めているのは約15校ですが、いずれも5級からが加点の対象になります。
そのため、無理していきなり3級以上を目指す必要はありません。また、合否で判断されないTOEFL Primary、TOEFL Junior Standardという試験からチャレンジするのもおすすめです。
英検5級
英検5級は、中学初級程度に相当する問題が出題されます。
リーディングは、短文や会話文の空所補充や、日本語文つきの短文の語句整序などが出題されます。リスニングは、会話の応答文、会話の内容やイラストの内容一致選択が出題されます。
ほかにスピーキングテストが実施されますが、このスピーキングは級認定に影響されず、スピーキングテスト単位でのみ合否判定されます。
英語を習っているお子さんであれば、小学生でも充分にチャレンジ可能な内容なので、最初に受ける英検として最適です。
英検4級
英検4級は、中学校中級相当の問題が出ます。
5級が英語の基礎的な内容を問うものだったのに対し、4級はやや発展的な基礎英語が求められます。4級では、長文の内容一致選択問題が、新たにリーディング問題として出題されます。
英語でおとぎ話を読む、短い絵本を読むなど、少しずつ英語の文章に慣れていくと良いでしょう。なおこちらもスピーキングテストがありますが、級認定には影響しません。
英検3級
英検3級は、中学卒業レベル相当の英語力が問われます。
小学生で受験するには難しく感じるかもしれませんが、中学受験では高い加点を得られる学校もあるのでチャレンジする意義はあります。
また、在学中に留学体験をしたい、交換留学制度に挑戦したいという場合は力試しという意味でもおすすめです。
3級からは、一次試験(筆記とリスニング)と面接形式の二次試験、二つをクリアする必要があります。また、一次試験の筆記には、ライティング(英作文)が追加されます。
英検2級(準2級)
準2級は高校中級レベルの、2級は高校卒業レベルの英語力が要求される級ですが、小学生でも不可能ということはありません。
中学受験でも高い加点が見込める級ですので、英語を得意とするお子さん、将来の進路として海外を目標にしているお子さんは要注目です。
準2級は筆記75分、リスニング25分と長丁場になるので集中力も必要です。
また、2級は筆記85分、リスニング25分で、Eメールの文章なども出題されます。学校だけでなく、海外の分野や仕事のシーンで使われる英語など、幅広い場面を想定した英語力が試されるといって良いでしょう。
TOEFL Primary
TOEFL Primaryには、Step1とStep2があり、世界中の英語を母語としない小・中学生を対象に広く行われています。
英検とは違って、スコアとバンドレベル(段階別評価)という指標で英語力を示すことができるので、「合否」判断が苦手なお子さんにもぴったりです。
Step1、Step2ともにリーディング30分、リスニング30分の計60分で行われます。
いずれもコミュニケーション能力を重視した内容で、実践的な英語力養成にも通じるテストといえます。
TOEFL Junior Standard
TOEFL Junior Standardも、合否判定ではなく「どれだけ英語が使えるか」というスコアを計測するテストです。
海外の中学・高校の授業、同世代の友人とのコミュニケーションを想定した問題で、「読む」と「聞く」の2技能をチェックできます。
合否を気にせず受けられるという点においては、英検よりもリラックスしてチャレンジできるかもしれません。
英検は、公式サイトである「日本英語検定協会」のサイトから過去問をチェックすることができます。
英検はやはりハードルが高いと迷っているご家庭も、お子さんと一緒に過去問を見ることで目標を具体的に思い描くことができるようになるかもしれません。グローバル化を目指す日本において、今後は中学受験に占める英語の重要度が増していくと考えられます。今の小学3〜4年生が中学受験に挑む頃には、英検による加点、試験の一部免除を実施する学校も多くなってくるかもしれません。
中学受験はモチベーションを保つことも重要です。合格後の生活や勉強をイメージするという意味でも、一度英検について検討してみては?