短期集中型、コツコツ型、お子さんのタイプによって多少の違いはありますが、英語の実力をつけるなら毎日短時間ずつ英語にふれるのが理想です。
英語や楽器の演奏方法を習得すること
は時間がかかることです。ですが、人の「忘れる」という習性を理解して短時間のコツコツ学習を積み重ねれば、結果を出すことができるでしょう。
今回は、その場しのぎにならない本当の実力をつけるオンライン学習法をご紹介しましょう。
忘却曲線から知る復習の大切さ
自らも英語学習や受験勉強に取り組んでいた親御さんなら、エビングハウスの忘却曲線という言葉を耳にしたこともあるのではないでしょうか?
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが発表した「エビングハウスの忘却曲線」は、本来被験者に無意味な音節を記憶させ、時間と共にそれがどのように忘却するかを記録したものです。
無意味な音節がどれくらい人の記憶に残ったかというデータは、次のように記録されています。
・20分後に42%忘れる
・60分後に56%忘れる
(中略)
・2日後に72%忘れる
・6日後に75%忘れる
この実験は、まったく意味をなさない音節を記憶した場合の記憶保持率の推移ですので、興味関心をもったり、意味づけがされたりした学習とまったくもって一致するわけではありません。ですが、この忘却曲線により、「人の記憶はあてにならない」、「学んだこともその多くは忘れられる」ということは認めざるを得ないでしょう。
「忘れる」行為に関してはもう一つ、人間の本質に迫る考え方があります。
忘れることは人間の本質
道具の使い方を覚える、毒とそうでないものの区別をする、など学習能力は人間の進化にとって重要な要素ですが、実は「忘れる」という行為も人間が生きていく上で同じくらい重要なファクターとされています。
日本心理学会によると、人はネガティブな記憶や失敗した記憶を忘却することで進化し、新たな挑戦をしたり人間関係を築いたりできるようになっているそうです。
確かに、嫌な記憶をずっと引きずっていると、新しいことにチャレンジする勇気や前向きなエネルギーはわいてこないかもしれません。
いわば、人は忘れることで新たな知識を取り入れ、記憶を更新しているのです。
忘却を前提とした学習法とは?
人は忘れる生き物である、この前提を覆すことはできません。ですが、忘却することを知っていれば、復習のタイミングや学習のスタイルを調整して学びの内容を定着しやすくすることはできるでしょう。
英語のように覚えるべきことがたくさんある学習は、忘れる瞬間を作らないよう短い時間をコツコツと積み上げていくのが効果的です。
一夜漬けのように短期間にぎゅっと詰め込んでも、(エビングハウスの忘却曲線を参考にするならば)すぐに忘れてしまうのです。中学受験や定期テストの度に詰め込み学習をするのは体力的にも疲弊しますし、効率的ではありません。
一週間に一日だけ3時間勉強するよりは、一週間に3日40分ずつ、一週間毎日20分ずつ英語にふれる方が、学習効果はずっと高いといえます。
習い事や塾を掛け持ちしているお子さんにとって、短時間にコツコツ取り組む勉強法は難しく感じられるかもしれませんが、オンラインレッスンなら好きな時間やすきまの時間に受講しやすく、継続的な学びが実現できます。
オンライン英語とは?
オンラインの英語レッスンは、PCやタブレット、スマホを使って行います。自宅にいながらネイティブスピーカーの発音を学べるのが最大のメリット。
WiFi環境を整えないと通信料がかさむ、通信状況によって遅延やフリーズが時折発生するというのがデメリットですが、スマホやストリーミングサービスを日常的に使っている環境なら滞りなく受講できるはずです。
オンライン英会話というと、忙しい大人のための習い事というイメージがありましたが、通塾時間の節約になる、感染状況を気にせず勉強できるなどの理由から子どもの習い事としても注目されているんです。
スキルや実力として身につけられる英語学習を希望しているご家庭にとって、オンラインの英語レッスンは効率的で学習効果の高い学びといえるでしょう。
まとめ:詰め込んだら忘れるのは一瞬、毎日触れれば「日常」に
一般論としてすでにご存知の方も多いかと思いますが、詰め込み学習は非効率的です。特に、英語や楽器のレッスン、スポーツなどは継続的な学びによって得るものが多く、一過性ではない力を身につけることができるでしょう。
2020年からはGIGAスクール構想も本格化し、タブレット学習にも抵抗のないお子さんが増えてきました。通う時間が必要なく、家庭で学習を見守ることができるオンライン英語レッスンは、継続的に学ぶ環境としてもうってつけです。本当の英語力を身につけてほしいと考えているご家庭は、「忘れる」という人の習性を念頭においたコツコツ学習を心がけてみてください。