東京学芸大学附属国際中等教育学校は、国立大学法人東京学芸大学の付属校です。
2007年に男女共学の学校として設立され、生徒全体の約40%が帰国生や外国籍という国際色豊かな学校として運営されています。
日本初のIB加盟校であり、中等課程(MYP)とディプロマ課程(DP)の一貫教育を行える初の国公立学校として国際水準の教育活動を実施しています。
東京学芸大学附属国際中等教育学校について
入試や英語教育のクオリティ、どのような英語教育が行われているかといった情報についてまとめました。
英語入試のレベル
東京学芸大学附属国際では、いわゆる帰国生入試を「編入学選抜」といいます。
海外から帰国後(来日後)1年以内であり、海外の教育機関に在籍していた期間が継続して1年1日以上であれば、この編入学選抜を受けることができます。
受験は、書類審査とA方式またはB方式いずれかの試験で合否を決めます。
書類審査は、志望理由書や報告書、あるいは成績証明書などを提出する必要があります。
試験のA方式は作文検査で、外国語作文(英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国・朝鮮語のいずれか)と基礎日本語作文の2つの検査が行われます。
外国語作文は課題に対して自分の考えや意見を理論立てて述べる内容です。基礎日本語作文はこれまでの経験や知識を元にして自分の考えを適切に述べる内容です。配分は、外国語作文が45分の85点満点、日本語作文が30分の15点満点と、外国語作文の方が高い配点バランスになっています。
試験のB方式は適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱで審査されます。いずれも配分は45分ずつで、それぞれ50点満点になっています。
適性検査Ⅰは、大問2つで構成されていて、自然環境に関する問題と、実世界のさまざまな場面における数理的な問題が出題されます。
適性検査Ⅱは、社会問題などに関わる資料を添付した大問1つで構成されています。
A方式(作文審査)は英語力だけでなく、外国語で物事を考えて表現する力を問われていることから、難易度は高いと判断して良いでしょう。
英語教育のクオリティ
東京学芸大学附属国際の英語教育は、少人数制がとられています。習熟度別に分けた授業展開だけでなく、日本語指導など海外生活が長かった生徒へのフォローアップも手厚いのが特徴です。
英語入試の合格率、倍率
東京学芸大学附属国際の倍率は、14〜15倍とたいへん高くなっています。
偏差値は男女ともに65と高いので人気が高いのは当然といえますが、国際バカロレア機構に準拠したIB教育を行う国公立という唯一無二の特徴で他の追随を許さないほどの倍率を誇っていると考えられます。
東京学芸大学附属国際独自の取り組み、特色
東京学芸大学附属国際は2010年、国際バカロレア機構にMYPのIB加盟校として認められました。MYPとは11歳〜16歳の5年プログラムとして提供されている教育で、同校は中1相当〜高1相当の4年間のプログラムとしてIB加盟校の認定を受けています。
さらに、2015年には、DPのIB加盟校として認定され、日本初のMYP、DPの一環教育実践校となりました。DPは、16歳〜19歳の2年プログラムで、同校は高2相当〜高3相当の2年プログラムとして認定を受けました。
将来的に海外を拠点にして活動したいと考えるご家庭や、長期的な留学を視野に進路を選びたいと考えるお子さんにとってメリットが多く、国際基準のカリキュラムで学べることが、最大の特徴と言えるでしょう。
東京学芸大学附属国際の卒業生、主な進路は?
東京学芸大学附属国際の卒業生は、東京大学、一橋大学、お茶の水大学や東京学芸大学、東京藝術大学といった名門国公立大学、青山学院大学、学習院大学、成城大学といった有名私立に進学しています。
海外の大学への進学実績も高く、UCL、University of Toronto、University of Washingtonなどに合格しています。
校風について:どんなお子さんが向いている?
東京学芸大学附属国際は、高い倍率を突破して入学しているお子さんばかりなので、目標に向かって競争心を持ち、コツコツ努力できる勉強好きな方が向いています。また、将来の進路を海外に設定しているなど、国際的な基準で学びたいという場合は、IB加盟校である東京学芸大学附属国際での生活が強みになるはずです。
まとめ:東京学芸大学附属国際は帰国生におすすめ
東京学芸大学附属国際は、習熟度別に英語の授業が行われ、帰国生に向けた日本語教育も充実している学校です。海外への進学実績も豊富で、何より日本初のIB加盟校であることから、日本を飛び出して羽ばたきたいお子さんにとって有利に働く環境であると考えられます。