日本との差はどれくらい?海外の子どものプログラミング/PCスキルとの比較

Share This Post

Share on facebook
Share on linkedin
Share on twitter
Share on email

日本は経済的、文化的に先進国のひとつといえますが、ITやICT教育に限っていえば諸外国と比較して遅れています。

2020年からICT教育の拡充が本格化し、プログラミング教育がスタートしていますが、海外のいくつかの国では数年以上前から子どものPCスキルを高める学習指導が体系的におこなわれています。

 

 

STEAM教育後進国の日本

 

21世紀型の新しい教育として世界で注目されているのが、STEAM教育(スティームきょういく)です。

これは、

 

・Science(科学)

・Technology(技術)

・Engineering(工学)

・Art(芸術)

・Mathematics(数学)

 

の5教科の頭文字をとった言葉で、これらの教科を単一ではなく複合的に盛り込む教育方法を意味します。

STEAM教育は特に米国で盛んで、専用の施設や指導法を習得するための教員向けカリキュラムが組まれるなど、さまざまな施策が講じられています。

日本ではここ数年でSTEAM教育(あるいはSTEM教育)のワードが知られはじめて、プログラミング教育と併せて認知度が少しずつ高まり始めている状況です。

 

STEAM教育には、プログラミングスキルを習得することや、PCスキルを高めて学びにPCを取り入れることが含まれており、STEAM教育を積極的に取り入れている国では、総じて子どものPCスキルも高い傾向にあるといえます。

日本の子どもたちのPCスキル

 

OECD(経済協力開発機構)が実施した「生徒の学習到達度調査(2018年度)」によると、日本の子どもたちはほかのOECD加盟国平均と比べて、勉強のためのPC活用頻度が少ないことが分かりました。

OECD加盟国の多くの国の子供たちは、学校の勉強のためにインターネットを使ったり、メールやSNSで友だちや先生と調べ物について質問をやり取りしたりしています。

一方で、日本の子どもたちには勉強や学校でPCを活用する機会そのものがほとんどありません。

「コンピュータを使って宿題をする」という質問に対し、毎日、ほぼ毎日と答えた子どもの割合が多かったのは、デンマークやオーストラリア、米国、ニュージーランド、メキシコ、イギリスなど。

一方で、日本は同じ質問について78.8%が、(コンピュータを使って宿題をすることが)まったくかほとんどない、と回答しました。

 

この結果からも、日本の子どもたちのPCスキルの低さ、プログラミングスキル習得の遅れがうかがえます。

 

参照データ:生徒の学習到達度調査(2018年度)

https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/06_supple.pdf

 

 

諸外国の子どもたちのPCスキルと周辺の取り組み

 

では、諸外国の子どもたちがどのようにPCを使いこなしているのか、プログラミングスキル育成の取り組みとともにご紹介したいと思います。

 

イギリス:PCは思考力を養うツール

 

イギリスでは、2014年からプログラミングを書いて学ぶ実用的な指導「Computing教育」がおこなわれています。

また、それ以前は、PCを考えたり文章を書いたりするひとつのツールとして使用し、学習していくやり方がおこなわれていました。

 

韓国:ネットリテラシーも学ぶ

 

韓国でも2011年からイギリスと同じように「Computing教育」が導入されています。

また、ネットリテラシーや倫理意識といったITを活用する上で不可欠な知識を小学生のうちから学んでいきます。中高では、プログラミング教育としてアルゴリズムやプログラムの設計を学ぶカリキュラムが導入されています。

 

 

イスラエル:兵役から逆算して必要なPCスキルを身につける

 

イスラエルでは、高校を卒業してから男女共に兵役があります。

兵役に就くにあたってはICTスキルが必要になるため、高校卒業時に必要なスキルを身につけられるよう週1〜2回(90時間)程度のプログラミングの授業が実施されています。

それゆえか、イスラエルは国民一人当たりのエンジニアの数が世界一多い国として知られています。

 

エストニア:ICT授業は各学校に委ねられている

 

エストニアはSkypeが開発された国です。

プログラミング教育は2012年から導入されていますが、授業内容や実施するかどうかの判断は各学校に委ねられています。

とはいえ、ほとんどの学校がプログラミング教育を実施しており、なかにはロボットを動かすプログラムを組むなど実践的な授業を必修としている小学校も。

 

まとめ:世界で活躍する人になるためにはプログラミングやPCのスキル育成が必要

 

プログラミング教育を取り入れ、PCスキルを育成する諸外国はこれらの能力を「読み書き」や「電卓の使い方」と同じようにとらえています。

つまり、PCスキルは特別なものではなく、日常や通常の学びに付随するものということ。

日本でも同様の水準になるかどうかは未知数ですが、国際的なスタンダードは高いレベルに達していると知っておきましょう。小学生のうちからPCの利便性やプログラミング的な考え方を理解することで、より広い世界へ羽ばたいていくことができます。

More To Explore