コロナウイルスの世界的流行は、子どもの習い事にも大きな変化をもたらしました。都市部では、大人数で受講するグループレッスンやクラス型の学習塾が営業自粛を余儀なくされ、オンラインレッスンに切替をする習い事も多くなってきました。
コロナによって子ども習い事は変化
コロナウイルスの感染拡大により、全国のほとんどの学校は長期の休校措置がとられていました。 休校となったのは、学校では児童(生徒)がひとつの教室に密集して過ごし、近距離でお喋りしたり食事をしたり「密接」するシーンが多いから。これは多くの習い事にも当てはまる特徴です。 たとえマンツーマンの習い事であっても、換気が難しいと3密のうちの「密閉」に当てはまってしまうため、何も対策せずに営業自粛をしなかった習い事の事業者はほぼゼロだったのではないでしょうか。 しかし、このような状況下でも対策を講じて、レッスンを休講せずに継続していた習い事もあります。 徹底的な換気や、密集、密接せずにレッスンできるカリキュラムに変更して対応しているところもありますが、もっともリスクの低いレッスン方法はオンラインレッスンです。休校や自宅待機が続くことは子どもの心身に大きな影響を与えますが、今のうちにオンラインレッスンを体験することは、将来のために有益といえるのではないでしょうか。
オンラインレッスンとはどんなものか
オンラインレッスンは、講師と生徒が直接対面することなくネットを介してレッスンを進めます。 あらかじめ録画したビデオ授業を視聴するやり方と、SkypeやZOOM、Whereby、Google Hangoutといったツールを使って双方向的にコミュニケーションをとるライブレッスンがあります。
数字で見る、コロナとオンラインレッスン
3月以降、一気にメジャーな存在となってきたオンラインレッスン。その注目度は数字にもあらわれています。
コロナにより7割超の学習塾はオンラインの必要性を認識
スクール専用の管理アプリ「Comiru(コミル)」を提供している教育コンサルタント会社POPERは、学習塾を対象にアンケートを実施。 「新型コロナウイルスがもたらしている学習塾への影響」についての動向を公表しています。 アンケートでは、オンライン授業について35.8%が「今回をきっかけに導入した」、39.5%が「今後の導入を検討中」と回答しました。 コロナウイルス以前からオンライン授業を実施していたのは全体の12.3%で、多くがコロナウイルス感染拡大によってオンラインレッスンの必要性を認識していることになります。
中高生はオンライン授業の継続希望者多し
オンライン学習塾の「アオイゼミ」が中高生を対象に実施したアンケートでは、およそ8割の生徒が「今後もオンライン授業を継続したい」と回答。 オンライン授業のメリットとしては、「自宅で学習できる」、「自分のペースで勉強できる」、「集中できる」といった点が挙げられました。 複数の大学も前期をすべてオンライン講義とし、今後は「オンラインで学ぶ」ことが主流になる可能性が高いといえます。 小学生のうちからオンラインでの学習に慣れておくことは、きたるICT(情報通信技術)社会に順応するためにも必須といえるのかもしれません。
コロナ自粛中は様々なジャンルのオンラインレッスンが人気に
オンラインレッスンでは、Wi-fi環境の整備やパソコンの保有が必要なので、保護者、つまり親世代の理解を得ることも重要です。少し前までは、生まれた時からネット環境が整っていて直感的にスマホが操れる子どもと、そうではない親世代の間に溝があるとされてきました。しかし、その溝は埋まりつつあります。 コロナウイルス感染流行前から「カフェトーク」でオンラインの習い事を提供している株式会社スモールブリッジは、政府の緊急事態宣言によってオンラインレッスンの受講数が増えたとしています。 特に受講増加率が高いカテゴリーはヨガやワークアウト、そしてピアノやバイオリンなどの音楽レッスン。また、英会話などの語学も人気です。 時差通勤やテレワークが広がったことで通勤時間が減って自由時間が増え、多くの社会人が習い事を始めるようになったのではと同社は分析しています。 社会人にもオンライン学習の概念が広がることで、保護者の意識も今後変わっていくのかもしれません。
まとめ
企業でもテレワークや効率化を推し進める動きがみられており、大学の講義や就職活動もオンラインに移行しつつあります。今の小学生が、将来社会に出るころには、今まで以上にオンラインでのコミュニケーションが増えることは間違いないでしょう。 こうした動きから、今後はますますICT教育の必要性が高まると予想されます。今回のコロナでの休校や自粛を機に、オンラインレッスンについて前向きに検討してみても良いのかもしれません。